Preface
まえがき
ワタシのCG創作は、ペルソナフィムと共に始まったと云っていいでしょう。
当時、独創的な93系ペルソナが次々と生まれていた頃、例に漏れず、ゲティもやりたいと思うようになりました。
ペルソナに必要な物――スクリプト。そして、もっとも大事な、CG。
そう、絵です。
カワイイキャラなくして、このテのものは成功しません。
でも、ゲティは、絵に関しての知識は皆無でした。出来ることと云えば、せいぜい、資料用にキャラの立ち姿を鉛筆でラフに描く程度――それも、滅多にマトモには描けません。中学時代、美術の時間、他人がデッサンを一生懸命やっているときに木片を削ってモトスやハイパーシールドを作っていたのですから当然といえば当然です。
むろん、ツールに関する知識なんてありません。
『PhotoShopでええんちゃう?』と云われ、友人にマシンを借りて使ってはみたものの、どこをどうすればどう動くのだか判りゃあしない。泣く泣く、鉛筆ツールで一つずつドットを置いていくという無謀な戦略に出て、マウス操作で手首を壊すわけです。
その後、半年の年月を経て、フィムは老夫婦のもとへ引き取られていきます。
そしてそれが、ゲティとCGとの本格的な戦いの始まりでした。
ひたすらPhotoShopをいぢりまわす。
プロアマ問わずいろんな人のいろんな作品を見て、奪える技術は貪欲に奪う。
一つ手段を見いだしても、それを実現する(おそらくはよりベターな)他の方法を探す。
分岐点に立ったときに、常に難しい方の選択肢を選ぶ。
一日に平均4時間、それを2000年1月から6月まで、のべ700時間以上の、困難との戦い――
それはもう、泣きそうな日々でした。
そんな苦悩をずっと見てきた、古い常連サンもいるハズ――。
半年後、ツールの操作に関して云えば、困ることはなくなりました。
しかしそれはゴールではなく――
そこへたどり着くことでさらに開けた、新たなる世界へのスタートでしかありませんでした。(メトロクロス状態です)
そして――
――そして、今でも、戦いは続いています。
囲碁部でゲーマーだったゲティは、その基本絵画パラメータの低さにもめげず、今日も心のウチにあるモノをなんとか表そうと、タブレット上にペンを走らせるのです。
ゲティが苦悩に身をよじりながら拾得してきた技術と、いくばくかの知識。
それはきっと、氷山の一角でしかないけれど、でもまた同時に、我々の足跡をたどる未来の芸術家の確かなる里墓標足り得るハズ。
それが必要とされていることを信じて、それらを一つ一つ、まとめていこうと思います。
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