オーストラリアは日本と季節が逆ですから、
輸入レベル3に挑戦するまで少々の時間があります。
昨年はドタバタしていましたから、もう一度、
レベル2に挑戦することにしました。
2014年2月15日更新
▼隔離圃場
レベル2の植物は、輸入後に1年間の隔離栽培が必要となります。
今回は2012年10月に隔離圃場を予約しました。
早い時期から動いただけあって、
今回は名古屋の隔離圃場が確保できました。
▼輸入代行業者
暖地の南の方の業者も調査したのですが、
サドンオークデス病の検疫に30万円かかるとのことで、あきらめました。
日本にも仲介してくれる業者さんがいるということを知りましたが、
前回と同じ業者を利用します。
▼品種とか
いつも通り、目的の植物を販売してくれるナーセリーを探します。
利用する輸入代行業者も前回と同じですから、
ブルーベリーの輸入は難しいと思われます。
ブラックベリーは前回、輸入できましたので、
今回はラズベリーを輸入することにしました。
▼輸入計画書
続いて輸入計画書を提出します。三度目なので内容は省略します。
輸入計画書を出したら、輸入代行業者に買い付けをお願いします。
▼サドンオークデス
ハーイ、ミナサーン、ワタシハ…あ、もういいですか。
昨年と同様、検疫可能なナーセリーを
この検疫リスト
から調べて、そのナーセリーから買うことになります。
今回は時間に余裕があるので、簡単なスクリプトを作って、
コンピュータに絞り込みをさせました。
▼品種探し
今回はShortCakeや、GoldenQuiltなどを注文したのですが、
残念なことに卸業者だったようで、
そこから出荷された店を調べてもらう羽目になりました。
リサーチ料を出して、卸業者も調べてもらったのですが品切れでした。
ShortCakeなどの品種はまた来年です。
こうしている間に春がやって来ました。
私も焦りながらナーセリーを探しましたが、
ラズベリーには詳しくないのでよくわかりません。
日本で流通していない、パテント品種が良かったのですが、
私はトゲが大嫌いなのでいい品種が見つかりません。
結局、人気のある品種ベスト10から、暖地向きの品種を選びました。
ついでに同じナーセリーにあった、
ブルーベリーのパテント品種も注文しました。
▼買い付け
私が選んだ品種は10本セットでした。
同じ品種ばかりいらないので、一部の苗は現地で廃棄してもらいました。
苗が増えると送料だけでなく、手数料も増えてしまいます。
▼到着
荷物の位置は、EMSで探索できます。
米国を出て日本国内に入りました。どこの空港かはわかりませんが、
あちこちの空港を書いておいたので大丈夫です。
荷物は税関で検疫を受け、そのまま隔離栽培になるはずです。
▼おい、郵便局
しかし郵便局の人がさぼっていたようで、苗木は自宅に届きました。
あ・り・え・な・い。
苗木の輸入は基本的に「嫁に対しては密輸」なのです。
この不審な荷物はなんだって話ですよ。
我が家は険悪な空気に包まれました。
荷物をこのまま放置しては枯れてしまいます。
昨年の経験がここで役立ちました。
箱を開けてはいけないのは知っていますし、
嫁が睨んでいるのも知っていますが、
どちらも知らないフリをして箱を開けました。
中のビニール袋を破って、空気を入れてやりました。
▼検疫
翌日、農林水産省の植物防疫課に電話をしました。
少しでも早く植えてもらうために、
自分で隔離圃場まで持って行くつもりでした。
しかし、検疫を受ける場所には駐車場がなく、
持ち込んだとしても、すぐに植えてもらえないと聞いてあきらめました。
これは用土の殺菌に一晩かかることが理由です。
去年のセントレア出頭の事情も話したところ、
翌日、植物防疫官の方が直接自宅に来てくれることになりました。
なんと自宅で検疫を受けることができました。
自宅で検疫証明書などを確認してもらい、無事に税関を通過したことになりました。
この証明書は本来、個人では見られない証明書ですし、
隔離命令なども私がサインしました。
貴重な経験ができてよかったです。
プログラマは大体、不幸を楽しむ職業ですからね。
そしてまた苗木とお別れです。
▼隔離栽培
隔離栽培が始まりました。
植え付けて1か月が経過した時点で、
半数が枯死したとの連絡がありました。(2013年5月31日)
根洗いされているので、配達トラブルがあると、かなり厳しいですね。
今のところ全滅した品種はありません。不幸中の幸いです。
名古屋の隔離圃場は、びっくりするほどショボイ施設でしたが、
昨年だったかに建てかえて、とても立派な温室になりました。
今年は隔離圃場にお邪魔しようと思っています。
それからレベル3を目指して、オーストラリアにも…。
▼検疫完了
12月に隔離栽培が終わり、苗が自宅に届きました。(2013年12月15日)
苗木は着払いなのでここでも大きな出費です。
購入した22本の苗木の内、検疫に合格したのはわずか6本でした。
今回初めてラズベリーの輸入を試みたのですが、
RBDVに感染していた個体が多く見つかりました。
検疫を受けずに栽培していたらと思うとぞっとします。
今回の輸入にかかった費用をまとめてみました。
今回はネット通販を利用したので、
買い付け費用がなくなって、代わりに送料になりました。
こんな感じです。
┌────────────────────
│ベリー苗 = $80.00
│米国内送料 = $15.99
│USDA Phyto Filing fee = $196.00
│検疫代行手数料 = $150.00
│根洗い = $66.00
│輸入代行手数料(15% or $30) = $30.00
│送料 = $144.59
│クレカ手数料(4%) = $27.30
├────────────────────
│合計 = $709.88
└────────────────────
1$=100円で計算すると、71,000円ということですね。
郵便局のミスで、すっかりバレてしまったのですが、
クレジットカードの引き落としが恐いです。
もちろん費用はすべて、私の昼食代を削って嫁に支払います。
米国ではベリー類の苗木はとても安いです。
私が購入したラズベリーの苗も10本セットで販売されていました。
それらをすべて日本に送ると、高く付きます。
送料だけでなく、根洗いや検疫手数料がかかるからです。
金額の問題だけではありません。
どれかの苗に虫が付いていたら、
箱の中で広がって全部が不合格になる可能性があるのです。
よってセットで購入した苗木は、一部を捨ててもらうのがオススメ。
私は一部の苗木を捨てる…のはしのびなかったので、
輸入代行業者の方の庭に植えてもらいました。
米国の種苗法は、パテント品種であっても増殖自由ですから、
数本輸入して、それを繁殖すればいいのです。
もちろん増殖した苗は譲渡しちゃダメですよ。