極楽ヒメスズメバチ


2001年初夏、自宅にセグロアシナガバチが営巣しました。
そのすぐ裏の家には、ヒメスズメバチが営巣しました。
このような条件がそろったので、私は期待して夏を待ちました。

そして8月10日、ついにヒメスズメバチが、
自宅のアシナガバチの巣にやってきたのです。
この様子を30cmという至近距離から撮影することに成功しました。

撮影日:2001年8月10日-12日

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・ヒメスズメバチ

ヒメスズメバチはオオスズメバチに匹敵する大きさを持ちながら、
アシナガバチの蜂児だけを幼虫の餌とする変わり者です。
大きさは24-37mm、女王蜂、働き蜂の差はほとんどありません。

・ヒメスズメバチ

スズメバチの仲間の多くは、
腹部が黒と黄の縞々になっています。
ヒメスズメバチはその末端が黒色をしており、
とても見分けやすいスズメバチです。
・セグロアシナガバチの巣

自宅に営巣していたセグロアシナガバチの巣です。
民家近くでよくみかける、大型のアシナガバチです。

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・ヒメスズメバチ来襲

セグロアシナガバチの巣を襲うヒメスズメバチ。
アシナガバチは迎撃しますが、数匹が殺されるとまったく無抵抗になり、
少し離れたところから巣を見守っています。
私が観察していたときは、2匹が殺されたところで勝敗がつきました。

・ヒメスズメバチ来襲

ヒメスズメバチがセグロアシナガバチの巣を襲いました。
すぐにアシナガバチが迎撃しますが、
まったく勝ち目はありません。
・敗れたセグロアシナガバチ

ヒメスズメバチがアシナガバチに負けることは、
まずありえないと思います。
アシナガバチは一匹づつスズメバチに挑みます。
これでは勝ち目はありません。

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・ヒメスズメバチ来襲

ヒメスズメバチは巣にへばりついて、蜂児を引きずり出します。
巣をかみ破るときに、バチバチという大きな音がします。
これは人が近くを通りがかれば、誰でも不思議に思うほどの大きな音です。
これはオオスズメバチの威嚇音とひじょうに似ています。
もしかしたら巣をかみ破っている音ではなく、
アシナガバチを牽制しているのかもしれません。
最初の一匹が蜂児を肉団子にして持ち帰ることを繰り返すうち、
次第に別の個体もやってくるようになります。
どのようにして情報が伝達されるのかはわかりませんが、
しばらくすると、複数のハチが往復するようになります。
ただし複数のハチが同時に狩りに来ることはありませんでした。

・蜂児を引きずり出すヒメスズメバチ

アシナガバチの蜂児を引きずり出すヒメスズメバチ。
作業の間、ヒメスズメバチは、
牙を噛み鳴らしてバチバチという大きな音を出します。
・肉団子を作るヒメスズメバチ

引きずり出した蜂児を巣に持ち帰るため、
足場のいいところで肉団子を丸めています。
このとき、蜂児が体内にためていた糞を捨てるため、
足場になっていた柱に糞がくっ付いています。
・ずたずたになった巣

襲撃を受けてから三日目の巣の様子です。
すべてのマユがかみ破られ、
大きな蜂児はすべて持ち去られています。
残っているのは小さな蜂児と、
営巣意欲の失せた働き蜂だけですが、
これからそれも持ち去ろうとしています。

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