山猿塾「1999年の夏」


1999年夏、山猿塾からの現地レポートです。
と、思っていたのですが、日頃の行ないが良かったのか、
最終日までいい天気が続き、
ホームページにまとめる時間が取れませんでした。
というわけで、一日遅れの公開です。

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・8月4日(水)

三重県四日市市を午前2時に出て、兵庫県氷上郡を目指します。
深夜だと高速道路も空いているので約4時間で現地に到着しました。

市ノ貝の道を車で登って行くと、山猿塾に入る道の手前にマムシがいました。
いつなら生け捕りにしてマムシ酒にするのですが、
今日は道具もないので殺すことにしました。
と、考えるのにかかった時間は約1秒。そのまま車でひき殺しました。

・マムシ

車でひき殺したマムシです。
山歩きをすると二日に一度は出会います。
今回はひき殺しましたが、いつもは生け捕りにします。
山猿塾にはマムシの焼酎漬けがたくさんありますよ。

ひまわり小屋には沢からホースで水をひいています。
流し台にはいつも冷たい水が流れているのですが、
今日はホースを干上がった畑に移動させました。
するといつの間にか、サワガニ君がやってきて涼んでいたりします。

・サワガニ

畑にホースを置いて水を流すと、
どこからかサワガニがやってきました。


この日は移動の疲れもあって、午前中は爆睡していました。
午後からは軽く山を見て回りました。
カブトムシが集まりそうな木を探しておきます。

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・8月5日(木)

気温は36度。暑くても屋外で体を動かしていれば気になりません。
子供たちは鶏舎でたまご拾いをしたり、ひまわり小屋で水浴びしています。
カブトムシ捕りなんかも楽しいと思いますよ。

・水浴び

ひまわり小屋の隣で水浴び中です。
足元の水路にはたくさんのサワガニがいます。

・カブトムシ

山猿塾の登り口の木で撮影しまた。
中型の♂と大型の♀が仲良く樹液を吸っていました。


山猿塾の常連、サナギマンさんが五右衛門風呂を作りました。
これで風呂も入れるようになりました。シャワー室もあります。
残念ながら利用する機会がなかったのですが、
今度来たときには入ってみようと思っています。

・五右衛門風呂

ひまわり小屋の上にあります。
板を沈めて入ります。
奥の建物がひまわり小屋です。
ひまわり小屋は一段下の棚田に建っています。
右に写っているクヌギの木には、
ミヤマクワガタがよくいます。

・五右衛シャワー

ひまわり小屋の裏にあります。
五右衛門風呂をわかして、
そこのお湯をシャワーにします。
右上に小さく写っているのが、
その五右衛門風呂です。


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・8月6日(金)

天候も良く、撮影は順調です。
朝4時にカブトムシを探して山をうろうろしました。
オオクワガタがいそうな新しいクヌギ林を見つけました。
手で抱えられないようなクヌギの林です。

朝の林の中は涼しい風が抜けます。
車の窓を開けようとパワーウインドウのスイッチを押したのですが、
半分ほど開いたところで、窓ガラスが止まってしまいました。
日除けを固定する吸盤がはさまって、
パワーウインドウのヒューズが切れたようです。
運転席以外の窓ガラスは半開きになってしまいました。
まあ。いいや。

近くのクヌギにオオクワガタのペアがいました。
カナブンとそうたいして変わらない大きさで、ちょっとがっかりしましたが、
撮影できるのはこれが始めてです。

・オオクワガタ

交尾中なので逃げられない様子。
メスはまあまあの大きさですが、
オスはカナブンより少し大きいだけで、
名前負けしています。
写真下の穴が隠れ家のようです。

交尾中なのでディジカメで近くまで寄って撮影しました。
車に戻ると,,,がび〜ん。
車を停めた近くに牛糞が積み上げてありました。
そのせいで車内はハエでいっぱいでした。

今度は谷を二つ移動し、山間の村を登って行きました。
家がなくなり、水田の向こうにクヌギ林が見えています。
草が生い茂った細い道を進んで行くと、スズメバチが飛んできました。
スズメバチはカブトムシを探す手がかりになりますが、どうも様子が変です。
なんか怒ってるぞ。
数匹のスズメバチが私めがけて突っ込んできて、
車のフロントガラスに「ばちん」とぶつかります。
もしかしてスズメバチの巣を車でなんかしちゃったのかな。
ま、その内いなくなるだろうと思い、そのまま車を進めました。
あれ...。あ。
そうです。窓ガラスは開いたままでした。
これはやばい。とりあえず巣から離れようと車を進めました。
が、いくら行っても数匹のスズメバチがついてきます。
そして、とうとう行き止まり。がび〜ん。
車を停め、サイドブレーキを引いて考えます。
開いた窓でハチを待ち伏せし、一撃必殺とも考えましたが、
こちらが無傷のまま、何匹も続けて殺のは難しそうです。
ハチはどうやら私の顔を狙って飛んでくるようで、
回り込んで窓から車内に入ってくることはなさそうです。
覚悟を決め、車をバックさせることにしました。
そして長い長い道を後退していきました。
来るときに踏みつけた巣は、帰りも踏みつけることになります。
案の定、同じ地点でスズメバチが十匹くらいに増えました。
生きた心地がしません。
ようやく元の道まで出て車の向きを変え急発進。

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・8月7日(土)

朝から林をうろうろしていると、撮影に向いた木に、
大きなノコギリクワガタのペアを発見しました。
が、そのノコギリクワガタは電気柵の向こうにいました。
時刻は午前6時55分です。
午前7時までは電気柵に電気が流れているので、近づくことができません。
そわそわしながら5分が過ぎるのを待ち、ようやく午前7時になりました。
それでもまだ恐いので、さらに5分待って午前7時5分に電気柵をくぐりました。

・ノコギリクワガタのペア

♂♀共に大型の個体です。
♀が樹液を吸っている間、
♂は交尾しようとがんばっています。


城崎まで足を延ばして海水浴。きれいなおね〜ちゃんがいっぱい♪
監視員の目をかいくぐって、テトラポットまで泳いで行き、
カニを捕まえては浜辺に戻ってくるということを繰り返していました。
片道50mはあるし、帰り道は片手で泳ぐことになるので、いい運動になります。
子供たちにカニをあげるとたちまち人気者になります。
日焼けで背中が痛い。

夕方、クヌギの木の下でスジクワガタを捕まえました。
できれば樹液を吸っている写真を撮影したかったのですが、
この種は初めてなので適当な木にとまらせて写真を撮ることにしました。
え? こんな写真より浜辺の女の子を撮影しろって?
私だってそう思いますが、潮風でカメラが傷むのはやだし。

・スジクワガタ

背中に筋があることと、
内歯が二つあることが特徴です。
この個体は筋が目立ちませんが、
内歯はきちんと確認できます。

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・8月8日(日)

愛知県一宮市からりょくさんがやって来ました。
私のホームページで山猿塾を知ったそうで、今年の春にも来ています。
どじょう池の草刈りをして、山猿塾の裏山を探検することにしました。
山道ではまたマムシに出会いました。
手ぶらだったので岩で叩き殺し、小枝に結んで持ち帰りました。
炭火でよく焼いてから鶏に与えました。

・どじょう池

池はオオカナダモが繁茂し、
たくさんいる魚は姿が見えません。
トノサマガエルが何十匹もいます。

・水草の花

水草が花を咲かせていました。
その横にトノサマガエルです。

その後、ひまわり小屋周辺を掃除することにしました。
周囲の草を刈り取って鶏舎に入れます。
岩でかまどを作って麦茶を沸かし、沢の水で冷やして飲みながら作業します。
夕方、同じかまどに鉄板を置き、ぶ厚い鹿肉を焼いて食べました。
味付けは塩こしょうだけですが、なかなかうまいです。

りょくさんは翌日も仕事があるといういうので、夕方に帰って行きました。
彼はプログラマなのでいつも強行日程(笑)です。

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・8月9日(月)

この日はほとんどの時間を作業に充てました。
とりあえずかまどを組んで麦茶を沸かしながら作業を始めます。
どじょう池の水草を半分ほど刈り取り、泥を掘って池を深くしました。
水草と泥は畑に敷きました。
エビやフナなどが元気に泳いでいました。

くわがたの林はぐんぐん成長しています。
1994年に種をまいたどんぐりは、4メートルもの高さに育ちました。
どんぐりはコナラという種類で、乾燥に強く、生長が早いのが特長です。
中にはもう実を付けたものまでありました。

・くわがたの林

道の左斜面にコナラを植えました。
林は鶏の運動場になっているので、
網で囲われています。

・コナラの実

たった5年で実がなっていました。
今年の秋にはどんぐりの実が、
野生の動物たちの餌となることでしょう。

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・8月10日(火)

竹田川の堤防を車で走りました。
ここ一ヵ月は雨が少ないので川の水も少なくなっていました。
バケツと網を持って川に下り、メダカとフナだけを捕まえます。
それを山猿塾の水路に放しましたが、うまく繁殖できるでしょうか。
水路にはミズカマキリなどの水生昆虫が多いので、
大きなフナ以外は全滅するかもしれません。

・メダカ

ありとあらゆる魚の稚魚を
全部メダカと言い張る人も多いのですが、
これはたぶん本物のメダカです。

・水路

水田までの短い水路です。
水深20cmくらいで水生昆虫も多いです。

水路にはたくさんの水生昆虫がいます。
タガメやゲンゴロウを撮影したいのですが、今のところ確認できません。
産卵に適した植物、たとえばガマなどを植え込んでみようと思っています。

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・8月11日(水)

市島町に久しぶりの雨。農家の方はひじょうに喜んでいることでしょう。
私は前も見えないほどの雨に閉口しましたが、どうにか帰り着きました。
午前2時に兵庫県氷上郡を出て、三重県四日市市に着いたのは午前7時。
途中、高速道路のサービスエリアで寝ていました。

三重県と奈良県の県境はカブトムシの宝庫ですが、
土砂降りではどうしようもありません。
帰宅して午前中は爆睡、午後はこのページを編集しています。

もったいないので紹介しきれなかった写真など。

・開拓小屋

ひまわり小屋の西にある建物です。
参加者はひまわり小屋と、
この開拓小屋に泊まることができます。

・クヌギ林

市ノ貝の登り口にある若いクヌギ林です。
よく手入れされており、
クワガタがたくさん見られます。
どこかにノコギリクワガタが写っています。

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