ビクリエイション代表取締役
福永 由美さん(37)
津市羽所町
ネイルアートで人を元気に
高齢者の福祉にも活用
県内でネイルサロン四店と、スクール二校を経営する。近年、成人式でのネイルアートが定着しつつあり、十一月ごろから予約が入る。今年も作業に追われ、忙しく新年を迎えた。
高校のころ、つまようじを使い、緑や黄色など、パステル調のマニキュアでつめに花を描き、母親から「かわいいね」と言われた言葉がうれしく、心に残った。「昔、お店できれいにしてもらったことがある」と聞き、職業として意識するようになったという。
十三年前、同市東丸之内でサロンを始めた。まだ日本では材料が不足し、「自分の“思い描く”ものには何を使えばいいかなど、すべてが手探りだった」と、過去を振り返る。
多くの人に知ってもらうためフリーマーケットや祭りなどに出店。机や機材を持っていろんな所に出向いた。
女性客がブース前に並び、女性を集客したい業者から「うちでも出店してくれませんか」と、声が掛かるようになった。
日常の手入れという感覚でとらえてもらえるよう、つめの形を整えたり、指先のケアのみにも対応。営業マンや銀行員など、男性もサロンに訪れ、身近に感じてもらえるようになったという。
以前、鈴鹿市御薗町の県営鈴鹿スポーツガーデンで、ネイルのイベントに出店。リハビリで同所に来ていたおばあちゃんに、スタッフがネイルアートで花を描くと、満面の笑顔を。間もなくお礼の手紙が届き、「おしゃれは人を元気にする力がある」と実感した。
スクールでは講師として後進の育成に尽力。客の希望をそのままうのみにするのでなく、状態にあったより良い提案ができることを大事にしている。
「どんなに忙しくても、嫌だと思ったことがない。好きなことができて幸せ。老人ホームなどを慰問し、カラーセラピーとして福祉にも役立ちたい」と、思いを新たに新年のスタートを切った。
(江川 智恵)
H19.1.10 第288号
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