ボランティアグループ「初音会」代表
藤田マサ代さん(63)
鈴鹿市算所
人に尽くして楽しむ
「ありがとう」を心の支えに
あるお茶会の席で“人尽楽”と書かれた掛け軸を拝見、「人に尽くして楽しい」という意味だと伺ったという。これは同会の理想であ り 、この言葉を合言葉に活動している。
同会は同市牧田地区を中心に活動するボランティアグループ。老人福祉施設で清掃作業やお茶会、知的障害者授産施設では、作業の手 助けや車いすの後押しなどをしている。
平成六年七月、「空いている時間に何か役に立てることを…」と、地域で催させた同地区社会福祉協議会主催のボランティアスクールに参加。寝巻きの着せ替え方、車いすを押す練習など、多くの介護を学んだ。
その後、修了生らと地域の人たち三十人で同会を結成。当初は地区民生委員のお手伝いとして、独居老人へ手作り弁当などを届けることから始め、やがて独立した。
平均年齢は六十三歳。同地区の主婦二十一人が同協議会からの依頼で活動。スケジュールを調整し合い、仕事を分担している。
障害を持つ人との接し方など、最初はわからないことばかり。しかし、心が通えるようになった人たちから「ありがとう」と言われることが何よりも嬉しく、支えになったという。
「資格も持っていないし、いまだ手探りの状態。でも、施設職員の皆さんに助けて頂いて…」と、これまでの失敗や苦労を振り返る。
お花見などのお出かけ、運動会、盆踊り大会など、各施設のさまざまな行事も手伝うが、中でも老人福祉施設でのお茶会は好評。和服を着てお点前を披露し、お茶や和菓子を振る舞うと、入所者はとても喜んでくれ、定期的に続けている。
また、月に一度は例会と勉強会を開き、日常の活動報告や反省でさらなる“福祉の増進”を図っている。
「ここまで続けてこれたのは、多くの人の理解と支え。そして、会員みんながボランティア精神の方ばかりだからです」と感謝していた。
このほか県地球温暖化防止活動推進委員なども務め、今年一月には裏千家茶道の準教授の免許を取得した。
趣味は茶道と和裁。
夫(67)と二人暮らし。
(木下 英里)
H19.3.14 第290号
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