野菜ソムリエ(ジュニアマイスター)
井上いぶきさん(23)
松阪市川井町
野菜や果物の魅力を伝授
生産者と消費者の懸け橋に
日常生活の中で、当たり前のように見かける野菜や果物。これらは旬や種類、栄養価や食し方など、さまざまな特徴を持っているが、自ら伝えることはできない。この魅力≠伝えるのがベジタブル&フルーツマイスター。通称「野菜ソムリエ」。
井上さんは今年三月、世界で唯一の認定機関・日本ベジタブル&フルーツマイスター協会の講習で初級、ジュニアマイスター(基礎知識)を取得。野菜や果物の魅力を多くの人に伝えている。
横浜市出身。東京農業大学・国際食料情報学部国際農業開発学科を卒業後、農産物の流通の仕事を一年務めた。箱詰めや包装などギフト加工の仕事をしてきたが、少し傷がついただけで商品にならいないことに衝撃を。
一つのものが出来上がるのにとても苦労している実態を知り、「生産者の近くで働きたい」と学生時代から興味があった資格に挑戦した。
取得後は、クラギ株式会社(本社・松阪市川井町)に就職。今は、農業屋松阪インター店内に併設の野菜直売所「農家の産直市場みのり」の店長を務める。
「生産者と消費者を結ぶ仕事がしたかったー」という念願の夢へ一歩近づき、地元農業の活性化を願い、店内ではさまざまな企画を提案。
スタッフらと考えた旬の野菜を使った「今旬のレシピ」やクイズを掲示し、ちょっとしたことで、いつものご飯がおいしくなるよう、来店者に食べる楽しみを伝えている。
また、土、日曜は店内で野菜ソムリエ講座を催し、野菜の歴史や食べ方、豆知識などを紹介。最近ではクイズ目当てに来るこどもたちもいるとか。
来年二月には同資格の中級、マイスター(流通や生産)の試験を受験予定で、勉強に励んでいる。
休日はバイクに乗って、近辺の畑めぐりや野菜の食べ比べを。農家へ行って作業を手伝うこともある。
毎日訪れる農家の人や来店者に元気≠もらっているが、郷里の家族や親戚が応援してくれていることが何よりもうれしく、大きな支えたどいう。
「ここを日本一のお店にしたい。多くの人に新鮮な野菜や果物の魅力を伝えたい」と希望に燃えていた。
(木下 英里)
H19.7.25 第297号
[ バックナンバー ]