お漬物の代々漬け
中村久子さん(62)
松阪市大塚町地元産使用で健康第一≠ノ
お客さんの喜びを励みに
「手づくりの良さを感じてほしいですー」と笑顔いっぱいで話す。
六年ほど前から漬物の製造販売をする中村さん。地元では代々漬け≠フお漬物で親しまれている。
きっかけは、同市のきっする黒部を訪れたさい、地元で取れた野菜や手づくりの食品などが並ぶ光景をみて「私もやってみたい」と思ったことから。
結婚するとき、仲人さんから「ぬか床」を頂き、それ以来、漬け続けてきたが、やがて家族の協力で製造販売を始め、漬物工房「ひさ」とブランド名を名づけた。初めはなかなか売れず、苦労もあった。今は同市の農業公園ベルファーム農家市場、きっする黒部に一日平均三十から四十個を並べている。夕方には完売し、週末には倍近くの量を用意している。
材料は健康第一≠モットーに地元産のものを使う。添加物は使わず、天然塩と昆布をふんだに入れて味付け。塩分控えめにこだわている。
セロリ、アスパラ、かぼちゃ、おくらなどもぬか漬けにするなど、ひらめき≠大切にしているという。
土、日曜日には店頭に立つこともあり、消費者との交流も欠かせない。
商品名は、正月の鏡餅にのせるだいだい(みかん類)から末広がり≠ニいう意味をかけ、「お年寄りから若い人まで末永く味わってほしい」という思いを込めている。
自宅離れの工房には、約60リットルと75リットルのたるが十三個。ぬか床に漬かったきゅうり、なすなどが出番を待つ。
毎朝三時に起き、パック詰めやシール張り。その後、夫の善彦さんが市内へ配送を。「主人や娘、多くの人に支えられているおかです
と感謝の毎日。
また、お客からの手紙が届くことも。「頑張ってくださいね」「自分の母親を思い出しました」などの便りは何よりも嬉という。
昨年からは、インターネットでも販売。鹿児島や北海道からの注文も届いている。
「見て、食べて、親しんでもらう。そして、おいしいと喜んでもらうため心を込めて作っています」と話していた。
市内で夫(65)と愛犬ミルクちゃんと暮らす。長女、次女は独立。
H19.10.10 第300号
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