H19.8.8 第298号発行分
・四日市市出身・瀬木直貴監督の最新作を津で公開
・「起業」の夢に向かって 津市で県内の女性らが交流会
・手作り品30点を一堂に いきいきサロン作品展
・津軽三味線と民族楽器が共演
・収容者の更生指導に協力
・「鈴鹿ブランド品」を認定
・サバイバルボックスを設置
・携帯で不審者情報発信 県警が街頭犯罪防止に
・五十鈴茶屋五十鈴川店 伊勢市宇治浦田にオープン
・手造り海の家を開設
・モノクロで懐かしさ演出
・動きある作品を34点
・お城公園で清掃奉仕 日本シルバークラブ初作業
・四日市市出身・瀬木直貴監督の最新作を津で公開
戦争の悲惨さ平和の大切さ後世に 間もなく62回目の終戦記念日 |
今月十五日は六十二回目の終戦記念日―。各地では記念の催しが開かれている。津市のある女性は、爆撃跡のある自宅の門柱を戦争の記録≠ニして保存、後世に伝えている。長年音楽活動を続ける四日市市の男性は、戦禍に散った特攻隊員を題材にしたCDを発売。それぞれの取り組みを通して、戦争の悲惨さや平和について改めて考えたい。(福家 明子) 津市大倉の元高校教諭、藤本治子さん(69)は、小学一年だった昭和二十年七月二十四日、津空襲にあった。家は半壊、四日後の焼い弾空襲で跡形もなく焼き尽くされた。 この家が大好きだったという藤本さん。大工の棟りょうだった祖父が自分の夢≠ニして、技量を尽くして建てた。唯一残ったものの中に、爆撃で一部が崩れたレンガ造りの門柱があった。戦跡≠ニ意識したのは二十年ほど前からという。 知人と鈴鹿市の防空壕跡を見に行ったことがきっかけ。「祖父や父がどんな気持ちで残したのか分からないが、私が伝えていかねば」と、人々に話すようになった。 同所で運営している通所施設へ来る人や戦争体験を話す催しなどで地道に広めると、話を聞きつけた女性が孫を連れて見学に来たこともあった。昨年は門柱の崩れかけた部分にコンクリートを入れて補強した。 「あの空襲で当時の私と同い年の女の子が亡くなったそうです。どんなに生きたかったことか。この門柱は、これから私がどう社会とかかわっていくべきか、考えさせてくれる鏡のような存在です」と話していた。 二十六日に同市大門の津センターパレス横広場で開かれる集いに参加、この体験を語る。 ◇ ◇ CD「海に咲いた花達」を自主制作したのは、四日市市を中心に音楽活動をするシンガーソングライター、水谷よしゆきさん(32)=同市小杉町、本名・水谷美之。 二年前、旅行で鹿児島県川辺郡知覧町の特攻平和会館を訪れた。太平洋戦争で沖縄に出撃した若い特攻隊員が、家族や恋人にあてた遺書を見て衝撃を受けた。 「これは本当にあったことなんやと、涙が止まらなかった」。その場で歌詞を書き上げたという。 ♪一杯の盃交わして明け方私は花となります 恐怖と日の丸背中にしょって海に浮かぶ敵艦目指すー。 曲は完成したが、内容の重さに葛藤(かっとう)も。「自分が戦争を語っていいのか」と、しばらく封印していたが、ライブハウスで歌うと大きな反響が。友人の勧めでCD化し、六月に市内のショッピングセンターなどで発売記念ライブを行った。 水谷さんは会社員の傍ら、休日を利用して音楽活動を。一児の父親でもある。 「この人たちがいなければ、今の平和な時代はなかった。反戦歌というよりメッセージソング。若者や家族を持った同世代の人に特に聞いてほしい」と話していた。 ライブ会場や国際ノンルーフ楽団(同市)のホームページで販売している。 |
「起業」の夢に向かって 津市で県内の女性らが交流会 |
起業に関心がある県内の女性の集まり「三重県女性起業家コミュニティ」が、このほど津市の県産業支援センターで、ネットワーク作りを目的とした交流会≠開催。こうした形式の会は県内で初めてといわれ、約三十人が出席した。 講師で武田経営研究所(名張市)代表の武田秀一氏が「女性が起業するということ」と題して基調講演。その後、持参したビジネスプランを発表、意見交換などを行った。 同団体の世話人で、今月アンティークピアノの販売事業を立ち上げた鈴鹿市白子本町、有村敦子さん(46)は「予想以上の参加があり驚いた。この勢いで交流の輪を広げ、三重の元気につながれば…」と話していた。 |
手作り品30点を一堂に いきいきサロン作品展 |
松阪市嬉野中川新町の百五銀行嬉野支店で、このほど「いきいきサロン作品展」が開かれた。 出展をしたのは同市社会福祉協議会嬉野支所管内の公民館などで週に一度活動するいきいきサロン≠フメンバー。六十五歳以上の人ばかりで、中には九十歳の女性も。地元ボランティアの指導で作品作りを楽しんでいる。 同所での催しは三回目。今回は約三十点を展示。折り紙を巻いて組み合わせた壷、動物の置物、帯を使った鶴やかぶとなど、身近なものを生かした作品ばかり。 同サロン担当の同支所・乾晶子さんは「多くの人に見ていただき、励みになったと思います」と話していた。 |
津軽三味線と民族楽器が共演 松永さんと橘さんが四日市でライブ |
四日市市を拠点に活動する「津軽民謡一座 民謡義結会」の三味線奏者、松永義仙さん(59)と打楽器奏者、橘はこべさん(35)が、このほど同市本町のフルハウスでライブ「津軽三味線の夕べ」を行った。 津軽じょんがら節など本格的な津軽五大民謡の独奏、橘さんによる民族打楽器・カホンとの共演で現代風にアレンジしたものなど十曲を披露。 二人は「気軽に楽しめる津軽民謡の魅力を多くの人に広めたい」と話し、会場と一体になって盛り上がった。 毎月第三月曜に「津軽民謡デー」として同所で演奏。次回は二十日午後七時から。 |
収容者の更生指導に協力 三重刑務所が7個人3団体に感謝状 |
三重刑務所(津市修成町、島田佳雄所長)は、このほど「社会を明るくする運動」に貢献した人たちに感謝状を贈った。 同所の刑務作業運営や収容者の更生指導に、長年協力した七個人三団体で、法務大臣表彰の中田泰左さん(77)=津市=は、平成七年四月から収容者の俳句会指導、所内紙投稿俳句の添削指導をしている。 また、軽音楽の慰問を続け、収容者の情操教育をしているミッドハーモニックオーケストラ(伊賀市)も、同大臣表彰を受けた。 その他の受賞者は次の通り。 (名古屋矯正管区長表彰)山崎俊彦=津市。 (三重刑務所長表彰)戸島幹夫=津市▼林コ昌=松阪市▼早川俊男=鈴鹿市▼下村徹嗣=津市▼小林右門=津市▼南出株式会社=鈴鹿市▼株式会社コジマ=新潟県。 |
「鈴鹿ブランド品」を認定 鈴鹿商議所 地場産業の活性化へ |
鈴鹿商工会議所(大泉源之会頭)は、このほど鈴鹿「ブランド商品」を認定。四日市市のじばさん三重で開かれた「地場産業フェア」で披露した。 「かぶせ茶」ペットボトル飲料「鈴鹿のお茶」、清酒「鈴鹿川」、海産物の「海苔の華」、「あなご」、「小女子」、伝統菓子「おはらぎ(み)」で、海・山・陸を代表する八品目。 地場産業の育成と発展、活性化などが目的。四年前に立ち上げた「ブランド商品開発分科会」が中心となり、同市の「メルモニ」、おいん鈴鹿産業フェスタでのアンケートなどを元に選んだ。 今後、認定マークを決めて商品に貼付したり、品目の追加も考えていく。 |
サバイバルボックスを設置 アスト津のエレベーター 災害時を想定して |
津駅前のビル・アスト津は、非常食などを詰めた「エレベーター・サバイバルボックス」を県内で初めて設置した。 災害時に無料で飲料が出せる「災害救援対応自動販売機」が五台あるが、地震や事故などでエレベーター内に長時間閉じ込められた場合を想定して導入した。 高さ約七十センチのボックスで、救出されるまでに必要な非常食、飲料、簡易トイレ、発電機付きラジオ・ライト、携帯電話充電器、ホイッスルなどが入っており、不特定多数の人が利用する「店舗・県・市専用エレベーター」の一台に設けた。 |
携帯で不審者情報発信 県警が街頭犯罪防止に |
県警本部は、携帯電話メール配信機能を活用し、中学生以下の子どもに対する「声かけ」「つきまとい」など、不審者情報≠フ発信を始めた。 街頭犯罪防止の一環として、県警ホームページでは不審者情報や犯罪情報マップを公開しているが、近年、情報端末機器としての利用度が高いことや、野外でもタイムリーに情報が見れる携帯電話の特性を生かし、運用することに。 情報料無料(通信料金は利用者負担)で、内容は逐次更新。文字情報だけでなく、発生場所を地図で確認できる。さらに希望者には、新着が入り次第、メールで知らせる。 担当者は「子ども対象の情報だが、今後は女性や高齢者などに広げることも検討。地域の自主防犯活動に役立ててもらいたい」と話していた。 ▼情報サイト http://www.police.pref.mie.jp/miemap/top.htm ▼メール受信申し込み http://www.police.pref.mie.jp/i/news.htm |
五十鈴茶屋五十鈴川店 伊勢市宇治浦田にオープン |
日本の風情を表現した施設「五十鈴茶屋五十鈴川店」が、伊勢市宇治浦田にオープンした。 同市のおはらい町にある「五十鈴茶屋」の支店で、来勢者を内宮の玄関口で迎え、季節を感じながらゆったりしてもらう。赤福五十鈴川店と周辺の約千六百五十平方bに、一年半がかりで造った。 濱田総業が運営。和洋菓子販売の中核店舗のほか、五十鈴川の景色を眺めながら節気や月、季節替わりの味を楽しめる飲食店「野遊び棚」、無農薬の自然茶を販売する「伊勢茶処」、工芸品の「野遊びや」、改装した「赤福五十鈴川店」、提げ重を展示するギャラリーなどがある。 |
手造り海の家を開設 大淀海水浴場 地元の若者らが共同で運営 |
多気郡明和町の大淀海水浴場前に、手造りの“海の家”がオープンした。約十年前に閉鎖した売店跡地に出来た唯一の店で、同町の山本章さん(33)が友人らと造った。 地元の海で遊び育った山本さんは、飲食店など何もない同所に物足りなさを感じ「自分で造ろう」と思い立った。 去る五月、同町観光協会と土地使用の契約を結び、準備を進めた。知人の山の竹約十六dを使い、四百平方bの敷地にすだれ屋根や骨組み、カウンターなどを手造り。飲食店経営の友人からはメニューのアドバイスなどを受け、地元産の貝料理などでもてなしている。 仲間らと訪れた伊勢市佐八町、イベントハウスオーナー・岡山裕成さん(27)は「全部手作りで、自然に囲まれて環境もいい。また来たい」と話していた。 十月二十日まで営業の予定。 |
モノクロで懐かしさ演出 津市の南敬さんが写真展 |
津市一身田中野の会社員・南敬さん(35)は、このほど同市大谷町の百五銀行津駅西口支店で、写真展「ものくろ・おんりぃvol.1」を開いた。 学生時代、カメラの撮影に魅了され、日常生活の中でふと目にした光景を直感で写し続けてきたという。 同展ではモノクロ写真二十点を展示した。 デジタルカメラ全盛の時代に、あえてフィルムにこだわっており、訪れた人たちは、懐かしさ≠感じる作品を見入っていた。 南さんは「これからもいろいろな瞬間を撮り続けたい」と話し、三十一までは中京銀行津支店でも同展を開催中。 |
動きある作品を34点 こちら鈴木幸永さんは絵画展 |
津市半田旭ヶ丘の美術家・鈴木幸永さん(63)は、このほど同市中央の三重画廊で個展を開いた。 同市では初めてで、透明水彩絵の具を使った約三十四点を展示。牛やシマ馬、トラなどの動物や花や風景、歌舞伎座を描いた具象画が並んだ。 中でも「馬」と題した作品は、描かれた馬が今にも歩きだすようで、訪れた人たちの足を止めていた。 二十代のころから水彩画や油絵を描き始め、主に名古屋を中心に発表。画家・平井憲迪さん(個人)に長く師事してきた。 鈴木さんは「具象・抽象両方の世界を大事にし、描き続けたい」と話していた。 |
お城公園で清掃奉仕 日本シルバークラブ初作業 |
日本シルバークラブ(津市大谷町)は、このほど市内のお城公園で清掃活動をした。 このクラブは、二月に同市を拠点にした六十五歳以上の男女による市民団体。会員のこれまでの経験を生かし、社会奉仕しようーと、老人福祉施設での名画上映会など、さまざまな活動をしている。 今回は初めての清掃。会員八人がたばこの吸い殻や菓子の袋を拾い、落ち葉などを片付けた。 笠井英嗣会長(65)は「すがすがしい気持ちになる。健康で市民のお役に立てることにやりがいを感じます」と話していた。 今後は、ごみのポイ捨て防止を呼び掛ける看板をしに寄贈するという。 |
四日市市出身・瀬木直貴監督の最新作を津で公開 「Watch〜卒業写真」18日には舞台あいさつも |
四日市市出身の映画監督、瀬木直貴さん(44)の最新作「Watch with Me〜卒業写真〜」が、十八日から津市大門の津大門シネマで公開。初日に瀬木監督の舞台あいさつがある。 テーマは「人間の生と死」。がんを患い、余命半年と宣告された元報道カメラマンが、故郷に戻り自身の思い出をたどる道のりと、それを見守る妻や友人のヒューマンストーリー。 題名は「私とともに目を覚まして祈りなさい」という新約聖書の言葉。近代ホスピスの創設者、シシリー・ソンダースさんが「死が近い人を見守る」という意味で使ったことから付けられた。みとる側、みとられる側の心の機微が情感豊かに描かれている。 福岡県久留米市を舞台に、歴史ある町並みと田園風景が美しい筑後地方で撮影。地元病院の協力で実在のホスピス病棟を借り切り、三十年前の祭りも再現するなど細部にこだわった。 出演は津田寛治、羽田美智子ほか。少年時代の主人公を、千人のオーディションから選ばれた新人、中野大地が演じた。 同監督は大学卒業後、プロダクション勤務を経てフリーに。「千年火」(二〇〇四年)は世界各国の映画祭に正式出品され、高い評価を得た。二〇〇三年公開の「いずれの森か青き海」は故郷・四日市市で撮影。市を挙げて協力した。 舞台あいさつは午後一時十五分から。上映は三十一日までで入場料は一般千六百円。 |
[ バックナンバー ]