H19.11.28 第302号発行分

・生徒の“理科ぎらい”に対策
・地域住民も一緒に育児楽しもう
・郷愁のノスタルジー画展 四日市の画家・須藤陽子さん
・会員が集まって意識向上≠
・公園などを除草・清掃 松阪市シルバー人材セ 県シルバーの日で
・「幸せの黄色いレシート」CP 津サティで贈呈式
・障害者らを二帰り旅行に招待 名鉄四日市タクシーが福祉車両導入で
・風景や花の油絵35点
・こちら草木染70点余
・藤原さちさん三重調理専門学校に最優秀賞 高虎お菓子コンテスト
・目標の味に出来ました 油正で新酒の初しぼり披露
・無添加弁当など大人気
・県内初のエステ講座 旭利用美容専門学校に開講
・外国のはかり一堂に
・丹精した80種130点出展 三重ばら会中勢支部「秋のばら展」
・旅をテーマに油・水彩画40点
・津の美術作家佐々木さんら 合同作品展
・男女共同参画をPR


  生徒の“理科ぎらい”に対策
企業の技術者も“先生”に
 コンビナートが多い産業都市・四日市市では、学校と市教委、さらに地元企業が協力して生徒の“理科ぎらい”に歯止めをかける取り組みをしている。小、中学生高学年を対象に、四十三年ぶりに行われた文部科学省の全国学力テスト。県内でも応用問題読解に課題が見られた。こうした中、教師や教育委員会によるプロジェクト会が発足。市の事業として企業人などを授業に招き、生徒たちの“視野拡大”に成果を上げている。

(江川 智恵)

 同市教委は昨年、市内の中学二年生を対象に授業の到達度検査をした結果、理科ぎらいの傾向が見られた。

 「もっと興味・関心を持ってもらえるような授業を」と、コンビナートなど企業が多い都市性を生かし、大学及び企業との連携・協力による授業力向上事業を今年度から実施。理科教育推進プロジェクト会も発足させ、子供の理科離れを食い止める活動をしている。

 同市教育委員会指導課・稲田正幸課長(55)をはじめ、三重大准教授、市内の小・中学校長、教員ら十人がメンバーとなり、授業に取り上げられる技術を紹介してくれる企業と、学校が求める授業内容を調整。

 これまでに住友電装や日本板硝子などの技術者が、電気回路や光の屈折などについて中学校で授業を。教科書だけではわからない製品開発の苦労や喜び、職人技などを生徒に披露した。

 市立桜中学でもこのほど、合成ゴムなど石油化学系の製品を製造するJSR(同市川尻町)から四人が来校して教壇に立った。

 エネルギーについて学ぶ三年生・百八十九人に、「化学の基本は分子である」ことを解き、エネルギー保存の法則を分子で考えた。

 二種類の液体を混ぜ、分子がつながって固まる様子や、ゴムの分子が入った割れないプラスチックを紹介。跳ねるボールと跳ねないボールを使った実験で、分子の結びつき方・数の違いによることなどを説明した。

 また、レーシングタイヤや住宅の免震装置、靴底など、分子のモデルが数々の製品に変わっていることを教えた。

 生徒たちは、資料や実験機材を目の当たりに興味津々。割れないプラスチックを、ガラスに混ぜたら割れないガラスができるのか━など、積極的に質問。「エネルギーなど、目で見えないことが多い分野なので、あまり得意じゃなかったが、実験を交えて楽しかった」と、感想を述べていた。

 JSR高分子研究所・但木稔弘所長(46)は「子供たちに反応があったので良かった。化学に興味を持つきっかけになればうれしい。私たちは理科・化学が好きで、ここで働いている。将来、いっしょに働ける仲間が増えればいい」と話していた。

 同市教育委員会指導課・稲田課長の話

 日々の勉強が、生活・産業の中で生かされる“価値のあること”と実感してもらえればうれしい。こうした取り組みが、継続的に行われていくことを願いたい。



地域住民も一緒に育児楽しもう
子育て支援ファミリーデー
 乳幼児から高齢者までが集い、子育てを楽しむイベント「子育て支援ファミリーデー」が、このほど鈴鹿市の白子公民館で催された。

 同公民館の講座「しろこ幼児学級」に通う母子だけでなく、家族や地域住民など幅広く交流しよう―と初めて企画。館内を一般開放した。

 三重大学生、白子高校生も、紙芝居やおもちゃ作り、フリーマーケットの店番などに協力。売上金の一部は同高校を通じてユニセフへ寄付。

 子どもたちは、おばあちゃんやお父さんと一緒に三世代体操をしたり、エプロンシアターを見て楽しんだほか、母親らの代表が、鈴鹿市長と子育てについて意見交換した。



郷愁のノスタルジー画展
四日市の画家・須藤陽子さん
 松阪市大黒田町のギャラリー青嵐堂で、このほどノスタルジー画展があった。

 画家・須藤陽子さん(49)=四日市市大谷台=のジクレー版画と豆皿・約八十点を展示。明治から昭和初期の遊び、文化、節句、風景を描き、子ども時代の写真を元にしたものも。

 学生時代に歌舞伎を見学、舞台や衣装などの色使いに衝撃を受け、着物やがん具を集めた。昔から絵を描くことも好きで、「日本の伝統文化の良さを絵で伝えたい」と思うように。

 九年前、筆使いや原画の色をそのまま残せる技法・ジクレーを知り、自分の絵もジクレー化したという。

 「なかなか見る機会のない着物などの良さを、子どもたちにも感じてもらいたい。ツル、富士山など縁起物も多く描いたので、見る人も幸せな気分になってもらえれば」と話していた。


会員が集まって意識向上≠
県シルバー人材セ連合会
福祉・家事援助サービス推進大会
 件シルバー人材センター連合会の「福祉・家事援助サービス推進大会」が、このほど津市の県総合文化センターで開かれ、会員ら約六百人が集まった。

 育児サポートや独居老人の家事補助など、福祉・家事分野の需要が高まっており、サービスを提供する会員らの意識向上を図るため毎年開催している。

 会員を代表して伊勢市の岡山一さん、小野百合子さんと松阪市の廣田節子さんが苦労や喜びなどを発表。恵泉女学園大学・大学院教授の大日向雅美さんが「今、改めて子育て支援を考える」をテーマに講演した。

 学生結婚し、学業と主婦業、子育てと生活に余裕がなかった時、手を差し伸べてくれたおばあさんとのエピソードを交え、「人生は支え、支えられてお互いさま≠ェ子育て支援の基本に。地域の力が大切です」などと話していた。

 会場には各センターの活動記録状況をパネル展示。このほか会員作品の展示即売、子育て支援ビデオ上映などもあり、当日の売上金と参加者らの募金を「あしなが育英会」へ寄付する。



公園などを除草・清掃
松阪市シルバー人材セ 県シルバーの日で
 十月の第三土曜は「三重県シルバーの日」。県内二十五ヵ所のシルバー人材センターは、公共施設の清掃活動をした。

 社会奉仕や市民・会員相互の交流を図るもので、数年前から続けている。

 松阪市シルバー人材センター(同市魚町、藤田昌三理事長)は、二百人の会員が松阪公園や市民病院駐車場周辺の除草・清掃をした。

 三年前から登録している梅谷よし子さん(65)=同市桜町=は「今まで多くの人にお世話になった。これからはお返しをする番。今後も楽しんでボランティア活動をしていきたい」と話していた。



「幸せの黄色いレシート」CP
津サティで贈呈式
 津市桜橋のマイカル・津サティで、「イオン幸せの黄色いレシートキャンペーン」贈呈式が行われた。

 お客がレジ精算時に受け取った黄色いレシートを、その活動などに共鳴する地域ボランティア団体などの専用ボックスに投函。そのレシート金額の1%をその団体に還元する仕組み。

 イオンでは、地域貢献活動として毎月十一日に実施しており、同社もグループ企業の一員。さる三月からキャンペーンに参加している。

 初の贈呈式では、今年三月から八月までに集まった約十六万円分の鉛筆削り器、コピー用紙、DVDビデオデッキなどを贈った。



障害者らを二帰り旅行に招待
名鉄四日市タクシーが福祉車両導入で
 四日市市新正の名鉄四日市タクシー(吉田洋社長)は、リフト付きの福祉車両を導入したのを機に、障害者らを日帰り旅行≠ヨ招待した。

 福祉関係へのサービス強化のため同車両を取り入れ、試乗を兼ねた旅行を計画。県内の名鉄グループ・三重名鉄タクシー(松阪市)、夫婦岩パラダイス(伊勢市)も協力した。

 松阪市の身体障害者小規模授産所「希望の園」の園生、鈴鹿市の「NPO法人・テトテ」の関係者ら約二十人を乗せて二見シーパラダイスへ。

 到着後は、昼食を取りながら車両の乗り心地や福祉について談話。水族館ではショーをみたり、動物との触れ合いを楽しみ、有意義な一日を過ごした。

 なお、この車両は車いす利用の場合、四人が乗車でき、鈴鹿営業所で保有。旅行のほか通院や買い物にも利用できる。



風景や花の油絵35点
木美枝子さんが初個展
 松阪市嬉野町の木美枝子さん(61)が、このほど津市中央の三重画廊で初の個展を開いた。

 幼いころから絵を書くことが好きで、子育てを終えてから油絵を。十六年前から本格的に始めたという。

 津市のヨットハーバーやノートルダム寺院、ヴェネチアの風景をはじめアジサイ、バラ、ユリなどの花を描いた三十五点を展示。

 訪れた人たちは、女性らしい温もりや優しさを感じる作品に見入っていた。

 木さんは「多くの人に後押しをしていただき、作品展を開くことができました」と話していた。



こちら草木染70点余
鈴鹿 星合孝香さんが作品展
 鈴鹿市東磯山のアトリエ&喫茶ごつぼで、草木染め展が開かれている。三十日まで。

 二十四年前から草木染をしている染織作家・星合孝香さん=松阪市西町=の作品、約七十点を展示。ザクロやウメ、アイなどで染められたストールやテーブルセンターなどが並ぶ。

 自然の優しい色合いで染め重ねられており、女性に人気。中には手織り作品もある。

 星合さんは「緑だけじゃなく、こんな色にもなるんだという発見が楽しい。松阪のベルファームで教室も開いているので、四季折々の色を一緒に体感して・・・」と話していた。



藤原さちさん三重調理専門学校に最優秀賞
高虎お菓子コンテスト
 初代津藩主・藤堂高虎にちなんだ菓子の「高虎お菓子コンテスト」がこのほど開かれ、三重調理専門学校の藤原さちさん(伊勢市宮後)の作品「高虎出世街道」が最優秀賞に選ばれた。

 高虎入府四百年を迎えるため新しい津の名物♀J発が目的。津市とまちづくり津夢時風が共催で昨年に続き二回目。

 今年は百三十一点の応募があり、一次審査を通過した二十一品を県洋菓子協会・刀根大士会長らが試食。▼おいしさ▼色と形▼アイデア性▼高虎にちなんだ点▼市販性の五項目について採点、優秀作品を選んだ。

 最優秀賞以外の入賞者は次のみなさん

【優秀賞】「高虎公のもっちりドラ焼き」小林陽子(津市河辺町)▼「スウィートグレインたかこ」榊原公民館講座▼「自家製高虎ティラミス」山田さくら(相可高)【アイデア賞】「ほんのり黒蜜風味抹茶高虎ロール」出口瑞季(相可高)▼「高虎の桜」奥川真麻(四日市農芸高)▼「高どら」鈴木綾華(相可高)▼「まるごと高虎パンプキン」松本美咲(相可高)▼「高虎流・野焼きりんごのチーズケーキ」小林陽子(津市河辺町)▼「高虎サブレ」大河内美千代(三重調理専門学校)



目標の味に出来ました
油正で新酒の初しぼり披露
 津市久居本町、酒造会社・油正(川端治夫社長)では、このほど新米で仕込んだ新酒初じぼり≠フ出来栄えを披露。今月から県内の酒販店などで販売が始まった。

 今秋収穫された県産米キヌヒカリ≠ニ雲出川の伏流水で仕込んだ。先月三日から杜氏の中井義雄さん(72)らが丹精込めて作業。今季の生産予定数量は十二・七キロリットルで、来年三月初旬まで続く。

 今年の夏は猛暑が続いたため、米質は硬めだったが、伝統的なやや甘口に仕上げることができたという。

 中井さんは「酒造りは毎年が一年生=B皆さんに助けて頂き、目標の味に仕上げることが出来た」と笑顔を。

 川端社長は「出来上がりは上々。爽やかでフレッシュな香りの新酒をご賞味下さい」と話していた。

 初しぼり<Vリーズは本醸造仕込など四種類。価格は一・八リットル入り二千三百十円(税込)から。



無添加弁当など大人気
調理専門学校が実習店舗を開店
 津市大谷町、学校法人・大川学園三重調理専門学校二年生の実習店舗・piccoloが開店。栄養バランスのとれたメニューでおいしい━と人気を集めている。

 津駅前の空き店舗を利用、実習授業で弁当とデザートを手作りして販売しているが、昼前から行列ができ、整理券を配るほど。

 添加物を使わないバランスランチ弁当(五百円)は、正午の開店から数分で完売。プリンやクッキーなどのデザート(二百円)は、季節によって変えている。

 調理コース・廣岡恵さん(19)は「開店当日だけかと思ったが、すごく盛況でうれしい。勉強になるし、後輩にも引き継げるよう頑張ります」と話していた。



外国のはかり一堂に
来月23日まで秤乃館で特別展
 今月は計量強調月間―。四日市市中野町、はかりの私設資料館「秤乃館」では、世界各国のはかりを集めた特別展を来月二十三日まで開催している。

 同館が所蔵する中国やポルトガル、タイなど十三カ国のはかりや分銅六十点。一八八〇年代に英国の上流家庭で使われた料理用や、宝石の取引に用いたアフガニスタンの上皿てんびんなど。

 また微量でも精密に量ることができるドイツ製分析てんびんは、明治三十年ごろに輸入されたもの。「当時では、家が一軒建つほどの値段がした高価なものだったそうです」と秤屋健蔵≠アと館長の小林健蔵さん(65)。外国のはかりはデザインがきれい。家族で見に来てほしいーと話していた。

 このほか八百点を常設展示。今月三十日までは入場無料。通常は高校生以上百円。午前九時三十分から午後五時まで。月曜休館。



丹精した80種130点出展
三重ばら会中勢支部「秋のばら展」
 三重ばら会中勢支部(山口省吾支部長)主催の「秋のばら展」が、このほど松阪市殿町の松阪公民館で開かれた。

 毎年、春と秋に催す恒例の行事で、五十八回目。会員が丹精して育てた八十品種百三十点を展示。赤やピンク、黄色やオレンジの色鮮やかなバラが並んだ。

 初日には部門別のコンテストがあり、色や香り、先具合などの優秀な作品に市長賞や市議会議長賞などが贈られた。

 会場を訪れた樋口則子さん(66)=四日市市=は、「さわやかな香りなどが、花によって異なり、素敵でした」と話していた。

 受賞者は次の皆さん。

 【一種三花】▼松阪市長賞=重盛眞夫(津市河芸町)▼ばら会長賞=津東高校(同市一身田上津部田)【一種一花】▼市議会議長賞=津東高校(同市一身田上津部田)▼ばら会支部長賞=重盛眞夫(同市河芸町)▼ばら会賞=小山光博(多気町上出江)、竹尾雅美(津市芸濃町)【鉢植え】▼ばら会賞=玉井さとみ(松阪市高町)。



旅をテーマに油・水彩画40点
久居明神町の小林俊一さんが個展
 津市久居明神町の会社社長、小林俊一さん(65)の個展が、このほど亀山市太岡寺町のかめやま美術館で開かれた。

 今回で十回目。「旅で出会った素晴らしい癒しの景色」をテーマに油彩画、水彩画四十点を展示した。

 オーストリアやカナダの雄大な自然、桜が満開の大阪城や津観音など。夕暮れの琵琶湖と、そこにたたずむ人を描いた「竹生島」は、優しい色使いとタッチで、幻想的に仕上げている。

 小林さんは食品会社を経営する傍ら、六十歳から創作活動。旅行が好きで、国内外にスケッチに出かけるという。

 「美しい自然は、壊したら二度と戻らない。若い人には、景観を残していく意識を持ってほしい」と話していた。

 県洋画家協会、津市久居洋画作家協会、旺玄会県支部、津市白山町文化協会に所属。



津の美術作家佐々木さんら
合同作品展
 津市大谷町の佐々木尚美さん(47)と、佐々木さん主宰のフォークアートフレンズのメンバー十五人による作品展「佐々木尚美&フォークアートフレンズ展」が、このほど同市羽所町のギャラリーアスト1で開かれた。

 ハロウィーンとクリスマスをテーマにした作品を中心に約百点を展示。ドイツやアメリカから取り寄せた雑貨に絵柄を付け足したものや、使わなくなった空箱、家具などに、かぼちゃやサンタクロース、花や動物など、さまざまなものを描いた作品が会場いっぱいに飾った。

 傘や杖に絵を描いたものもあり、デコラティブペイントの楽しさを伝えた。

 佐々木さんはアメリカ・シアトルに滞在中に滞在中にこの作品に出合い、帰国後、共にペイントを楽しむ≠モットーに、創意工夫して仲間たちと活動。

 自宅のアトリエで教室も開いており、日本デコラティブペインティング協会の講師会員。「杖の作品がたくさんできたら、老人ホームなどに寄付したい」と話していた。



男女共同参画をPR
来月1日、「わあむ津」開催
 津市男女共同参画フォーラムが、来月一日午前十時から津市の津リージョンプラザで催される。

 市民による同フォーラム実行委員会(堤民子委員長)の主催。テーマは「ともにつくろう!わたしたちの津市を」。

 今回は新・津市の男女共同参画推進条例の制定後、初めての開催。愛称を「わあむ津」とし、男女共同参画の理解と意識の向上を図る。

 愛称は「輪を編む」「和を編む」を表現、老若男女が手をつなぎわ≠広げようと願いを込めた。

 午後一時四十五分から漫画家、石坂啓さん=写真=が「子ども・家族・仕事の楽しみ方」と題して講演するほか、市内で活動する十四団体が発表や展示、菓子や雑貨の販売をする。

 入場無料。託児(無料)希望者は事務局(津市男女共同参画室)へ。



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