「広報すずか」が5年連続特選 鈴鹿市が発行する「広報すずか」が、県広報コンクールで特選に選ばれた。五年連続の快挙で、全国広報コンクールへの応募も決まった。昨年は総務大臣賞を受賞しており、独自性の強いテーマや製作スタッフのこだわりなどが評価された。その“足跡”について広報への取り組みを探った。(江川 智恵)
多面的テーマが好評
製作するのは同市秘書広報課広報グループ・矢田眞リーダー(48)、岡憲利さん(34)、杉立正徳さん(34)ら三人。年度始めに会議をし、各課からの要請も参考にして一年間のテーマを決める。
昨年十一月五日号の特集「外国人と日本人との共生」は、県広報コンクールの広報紙部門(市部)で、応募のあった十市の中から特選に。平成十四年以来、五年連続の特選に輝く。
その間、矢田リーダーが昨年着任。岡さんは四年前、杉立さんは三年前と、製作メンバーは変わった。先輩から写真の構図、取材者の表情のとらえ方など、アドバイスを受ける一方、市からの一方的な意見にならないよう、市民はじめ専門家など、多くの声を紙面化した。
不登校を特集した平成十七年十月五日号は、その年の全国広報コンクール広報紙部門・市部で最高位の総務大臣賞に。
同市教育委員会教育研究所の協力で学校やフリースクールなどを取材。不登校を体験した市民の声、スクールカウンセラーなどがかかわった事例などを紹介。「家庭の問題を、行政が深く掘り下げている」と評価された。
また、同市には製造業が集積し、労働力の担い手として長期滞在する外国人が増加。市民にアンケートを取ったところ、「外国人の隣に住んだことがあるが、夜間にパーティーをするなど、生活習慣の違いからトラブルがあった」。「どうして外国人が増えたのか」などの意見があったという。
町で見かけても接点がなく、外国人が置かれている現状を知らないために生まれる誤解━。これらを解消するため「外国人と日本人の共生」を取り上げた。
同市市民対話課外国人交流室が協力。同室・植田依子副主幹(44)は、移民の歴史などから“外国人の増加理由を振り返る”ことを提案してくれた。
支援活動するボランティア団体や市内に住む外国人、進路ガイダンスなどの取材にも同行。県のコンクールで「丁寧に細部まで取材し、さまざまな立場の人が登場している。多面的にテーマを掘り下げ、読みごたえのある内容」として、全国コンクールへの応募となった。
製作スタッフは「今後も鈴鹿の独自性を出し、伝えたいことが確実に伝わり、読みやすく市民に親しまれる紙面を作っていきたい」と話していた。
H19.3.28 第291号
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