まちの情報紙「白子新聞」奮闘
市民記者≠フ感覚で取材めざす
新しい地域交流も発信


 一枚のニュースペーパーから始める新しい地域づくり―。鈴鹿市白子地区の情報紙「白子新聞」が発行されて半年。約十七人の編集スタッフは年齢も職業もばらばら。だが、地元を愛しているのは共通=B世代を超えて、意見が飛び交った編集会議を訪ねた。
(内田 敬子)


 「うちはざっくばらん。一般公開しているし、自由な会議です」と、案内してくれたのは、リーダーの小原田克己さん(五四)。この日は10月1日号の紙面内容について協議していた。


 編集委員・スタッフは、二十代から七十代までの自営業や会社員などの約十七人。昨年度の白子公民館事業「地域情報化推進学習」の一環で、地域紙づくりを学ぶ「市民メディア」講座を修了した人が中心。地区情報網の活性化、地域社会の形成への貢献を目的に、さる四月、創刊準備号を発行した。


 毎月一日発行で、A3判、4n。白子小学校区エリアを中心に町ネタを紹介するほか、市民記者≠フ目線で、まちかどをリポート。地域でがんばっている人、イベント情報などを掲載している。


 五千部の新聞は、自治会を通じて各家庭へ配られる。さらに自由に持ち帰れるよう病院や金融機関などにも配置。


 購読無料で、広告掲載はなし。スタッフの人件費、取材費は手弁当=B印刷代等の経費は賛同者の厚意などでまかなっている。


 住民からは「今まで知らなかった白子の側面、小学校や公民館の取り組みなどがわかった」と好評。中村純伊知代表(七八)は「みんなの文化的水準が、高くなってきたようでうれしい」と、目を細める。


 新聞制作と平行して毎月第一日曜日には、座談会を開催。地元住民以外にも門戸を広げ、元気なまちづくり≠考えるための意見交換や親ぼくを。


 このほか七月には「白子まちづくりサミット」を主催。約三時間にわたり熱い論議を重ねた。八月には子ども向けの「しるこ新聞」を発行。活発な取り組みは市外にも伝わり、講義依頼も寄せられた。


 今後は「白子ファンクラブ」の設立と、子どもたちの声を紙面で紹介することも計画中。スタッフらの願いは、地元・白子を一層愛する人が増え、地域コミュニティの再生、ご近所さんとの付き合いの復活。より良い紙面を目ざして意見を出し合っている。


 中村代表の話


 素人集団ですが、これからも住民のための市民新聞≠ニいう形で活性化に努めたい。そして住民には、読者にとどまらず参加してもらえるようにしたい。


H19.10.10 第300号

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