ボランティア団体・あのつ文化研究所代表
伊藤 守夫氏(64)
津市藤枝町

文化面で津をにぎやかに



 文化面から、津の街ににぎわいを取り戻す手助けをしたい―と、ボランティア団体「あのつ文化研究所」を立ち上げて四年目。


 これまでの経験やアイデアを生かして次々と新しい発想≠ナ企画を展開。先日は押し花、紙人形など、異なる作品を集めた「クラフト8分野8人展」を開催。シリーズ化≠熏lえている。


 元県職員。広報関係の仕事が多く、広報課長も歴任。写真や映像で三重県の良さを全国に発信したり、「県政だより」の創刊、俳句募集などにもかかわった。


 五十五歳のとき「自分で幅広くやってみたい」と退職。写真家として県内の名所を撮影する一方、写真を貸し出しするフォトライブラリー会社・クリエイト藤を設立した。


 ところが、大門商店街で撮影する際に人通りの少なさに気づいた。同級生にこの話をすると、「自分たちの出来る範囲で、活性化の手助けをしよう」と意気投合。平成十五年末に六人で同研究所を立ち上げ、翌年に、「あのつ画廊」を同商店街内に開設した。


 メンバーだけでは集客が困難なため、市内の画廊の催し物を案内したミニコミ紙「津・画廊巡り」を発行。このため一年目は約一万人が来場した。


 二年目には常設の「まちかど博物館」を併設。三年目は無料の絵手紙教室を三回開いたところ、「有料でも毎月開いて欲しい」という声が多く、毎月同教室を開講。商店街の夜店に合わせたビアガーデンや、巡回展示などもした。


 しかし、都合で画廊を移転することになり、昨年十一月にメンバーが所有する旧藤枝郵便局(同市藤枝町)の局舎へ移転した。


 中心部からは少し離れたが、近所の人は協力的。展示の準備や留守番を手伝ってくれたり、いすの寄贈、駐車場を無料提供してくれる人など、住民の温かさを感じた。


 絵手紙だけだったカルチャー教室も先月から「実用書道」、今月からは「油絵」を開講。今後は、少し変わった講演会やレコードコンサートなどもやってみたい―と夢は尽きない。


 運営資金は津の名所・旧跡を撮影した絵はがきやカレンダー、携帯ストラップの売り上げなど。画廊のほか、梅のシーズン中は結城神社でも販売しているが、利益にはほど遠いという。


 メンバーも十七人に増加。「今後は団塊世代にも手伝ってもらい、一人ひとりの得意技が活用できるイベントを企画し、活性化の一役を担っていきたい」と頑張っている。


 趣味は、ラジオの組み立てから始めて、鉄道模型、玩具発明、写真撮影、パソコン、川柳、クラシック鑑賞など多彩。最近は忙しくて、趣味に没頭する時間が少ないという。


 妻(六四)、長男家族、母(九〇)の七人暮らし。


 (内田 敬子)


H19.3.14 第290号


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